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名作読書はボチボチ続く
またウイルスの感染が広がっています。ここ連日の感染者数は過去最大となり、対策をより心がけないといけません。あたりまえの日常が、幸せの日々であったことに気づかされるなんて皮肉でもあります。そんななかで本でも読んでみようと、きっかけができたことは私にとって喜ばしい。
今日、11月25日は三島由紀夫の命日。自衛隊の駐屯地で自害されるという衝撃の死。今年は没後50年ということでテレビや新聞で目にすることが多く、三島由紀夫という作家が気になります。
代表作の『金閣寺』や『潮騒』も読んだことはなく、『夏子の冒険』という小説を今年の春ごろですが、読んでみました。お嬢様である夏子が、熊に仇討ちに行く男性に惹かれついて行くという冒険話。おもしろくてどんどん読み進んでいきます。お堅いイメージとは違いエンタメ風で意外や意外、2時間半ほどで読了できました。
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.日本人として初のノーベル文学賞を受賞した川端康成。その時、同時に候補となっていたのが三島由紀夫だったみたい。もう少し命あらば、のちの受賞もあったかもしれずなのに残念ですね。
さてです。ノーベル文学賞作家の川端康成の代表作『山の音』『雪国』『伊豆の踊子』3作品をつづけて読んでみました。
最初に読んだ長編小説『山の音』は息子の嫁に恋ごころを抱く話で、なんか読み始めとっつきにくかった。家族の心情や葛藤に共感できませんでしたが、中盤からどんどん物語に引き込まれていきました。流石イメージ通りの美しい日本語。
冒頭が有名な『雪国』。最初の何行しか読んだことがない(笑)過去がありますが、『山の音』でちょっと免疫がついたのか、今回は難なく読み切ることができちゃいました。なんていうのか、ふわ~とした情緒的な芸術品の水墨画のような、つかみどころがない雪国の芸者さんとの儚い恋物語。不倫…ですよね。しかしながら幻想的で美しい作品であります。ちょっと官能的?
そして『伊豆の踊子』みっじか。30頁くらいしかない短編なのにこんなにも有名なの!?
付箋のとこで踊子終わっちゃいました。この作品は初期の代表作で、川端自身が学生時代に伊豆へ旅をして踊り子と出会い関わった経験が綴られた小説。青春★って感じがイイ感じによかったです。短編ものは物語に入り込むまでに終わってしまうので印象に残りにくいのですが、読んだ3作品のなかでは一番好きで、もう一度読みたくなります。
文豪って言われる人の書かれた文章って、それぞれ生き様や魂みたいなものが散りばめられているようで、読みおえた後には余韻が残ります。ボチボチですが‘‘名作を読む”にチャレンジ継続中!
過去記事 : 純文学の再読