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とかくに人の世は住みにくい
3回目の緊急事態宣言。相も変わらずお出かけ控え生活が続きます。
家で過ごすことが多くなり本を手にすることが少~し増えたなか、いつかは読もうなんて文学作品の読破にチャレンジ中ですが、いやはや思うように進まない。
とはいいつつもコロナウイルスに脅かされるようになった時期ぐらいから、夏目漱石の何作かは続けて読んでみた。「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「三四郎」「それから」「門」「虞美人草」「草枕」「二百十日」を読了。
有名な冒頭から始まる「草枕」ですが、なかなかの読みづらさ。漢詩や英文なんかも紛れていたりですが、詩をよく書く主人公である画家のそのつぶやきが卓越すぎて、詩人のほうが向いてやしないかこの画家。笑
<草枕より抜粋>
智に働けば角が立つ。情に棹されば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画ができる。
ふむふむ、なるほどなぁ~さすが名言。どこへいっても自分しだい。
読みごたえあって時間をかけてというか、読むのに時間がかかった「虞美人草」は、複雑に絡まった恋愛話がおもしろくてお気に入りの一冊に。
いま現在は「道草」を読みかけての放置状態ですが漱石の考え方や思想みたいなものが、なんとなくわかってきた気になってます。 約10年の作家活動で数々の名作を残した漱石。知識が豊富で表現がきれい。尊敬の念が一層湧いてきます。
角川文庫のかまわぬシリーズの装丁が可愛くてジャケ買いから始まったような文豪の読書ですが、コロナ禍と相重なり収集して57冊に。全部揃ったのか?取りこぼしているのか?
★どうやら1冊足りないみたい…
過去記事 : 名作読書はボチボチ続く